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 《Daiyuノウハウ②》  「人生が変わった」と話題のインターンシップ開発秘話

  • Category : Daiyuノウハウ
  • 2021.05.21

こんにちは。
株式会社Daiyuの山中です。
今回のブログは、企業の「人事・採用」担当者様にとって少しでも有益な情報をお伝えできればと思い、弊社の新卒採用ノウハウを公開させていただきます。
 
新卒採用市場をデータで見てみると、2022年卒業予定の大学生・大学院生の有効求人倍率は1.5倍といった売り手市場。(≫出典:リクルートワークス研究所
2022年卒の就職企業ランキングでは文系・理系いずれも大手企業が占めています。(≫出典:2021年卒版就職企業人気ランキング/株式会社マイナビと株式会社日本経済新聞社
 
この結果から読み取れるように、知名度の低い中小企業はどうしてもインターンシップ・会社説明会の集客面で苦戦を強いられます。
弊社もまだ20名規模のベンチャー会社で、会社のネームバリューで勝負できるフィールドにはいません。
取り扱っているサービスが「結婚式」ということもあり、学生さんが商品を知っている、製品を使っているということはほぼ起こり辛く、こちらが手を打たなければ会社としての認知度はゼロ。
 
それでも弊社は2022年度新卒向けインターンシップに600名の参加者が来てくれました。
その内、弊社を志望し、役員面接まで進んでいるのは大阪大学、早稲田大学、国際基督教大学、中央大学、法政大学、立命館大学、関西学院大学、明治学院大学等の学生さんです。
 
弊社では目標採用人数5名に対し、一人当たり18万円の採用費で採用活動を行っています。
新卒採用の一人あたりの採用単価平均が93.6万円といわれているので、通常と比べると、かなり採用費を抑えられているのではないかと思います。
(≫出典:就職白書2020
 
こうした採用費削減の大きな要因は、広告費削減にあります。
これまでのDaiyuは、なんとかインターンシップ参加者を集めるため、精力的に合同企業説明会への出展を行ってきましたが、2021年度卒向けインターンシップ時期からは説明会への参加を一切取りやめ、リクナビ、自社媒体を駆使したことで、広告費を今までの4分の1以下に縮小することが可能になりました。
特に効果があったのはブログで、インターンシップを受けた学生さんのリアルな感想をご紹介したところ、PV数が増えていき、2週間で200名のご応募がありました。
その結果、通常インターンシップの平均集客単価が2万5000円といわれているなか、弊社では一人当たり600円での集客を叶えることができました。
 
また、インターンシップに参加した学生さんたちが「Daiyuのインターンシップに参加した方がいいよ!」と周囲の友人に紹介してくれ、夏以降も少しずつ影響の輪が広がっていったことも大きな要因です。
 

《Daiyuのインターンシップに参加している学生さんとの写真》
 
インターンシップで一番大切にしたのは、どうやったら学生さんに流行るか?ではなく、「本当の意味で学生さんのためになることは何か?」ということでした。
この部署は取締役の鈴木直轄の組織で動いており、鈴木の信念やアイディアのもと、世の中の「新卒採用」のルールにとらわれない独自の方法でやっています。
私自身、3年前にここに転職してくるまで「人事採用」の仕事をしたことはなかったのですが、反対に何も知らなかったからこそ、固定概念や一般論で考えるのではなく純粋に鈴木のもとで学生さんのことを考えることができました。
 
ここからは、そのインターンシップの設計をした鈴木へインタビュー形式で設計の舞台裏を公開していきます。
 
 

《インターン設計者、取締役鈴木のインタビュー》
 
 

会社が何より大切にすべきこと
価値観・理念に共鳴する人の採用

 
 
―――取締役自身がインターンシップに力を入れて携わるほど「採用」を重要視している背景を教えてください。
 
Daiyuに入社する前は、経営者向けの研修会社で働き、100社を超える中小企業の経営、店舗運営の支援を行ってきました。
その際、一番大切にしていたことが「理念創作」。
つまり、会社がどういった価値観を持ち、何を目的に存在しているのかといった経営理念を明らかにすることです。
理念の確立は、場合によっては全社員が入れ替わるほどの大きな影響力を持っています。
しかし、理念が浸透し、従業員一人一人が「何のためにこの会社が存在するのか」を理解できていれば、その組織は必ず成長します。
私自身、そういった光景を何度も目にしてきました。
 
実際にDaiyuも「理念経営」を掲げたことで、組織体制が大きく変化しています。
 
設立当初のDaiyuは、代表の宮腰がウェディングの専門学校の講師をした時の学生や、前職の時の部下など、宮腰に憧れ入社したスタッフが多い会社でした。
当時のメンバーは「宮腰さんは気に入ってくれるだろうか?」「宮腰さんはどう思うだろうか?」という判断で動いており、次第に、本来お客様のための力やエネルギーを、上司に気に入られるために使っていくようになりました。
それは宮腰が目指した会社とは違っていました。
スタッフ自身が「お客様にとってどうか?」とベストを考えられなければ本当の「お客様本位」を貫くことはできない。
その時、利益や上司の顔色を伺って仕事をするのではなく、理念に共感する仲間を集めたいと理念を創る決心をしています。
 
理念を確立したことで、考えに合わない人は辞めていきました。
しかし、理念浸透した組織になったことで会社が安定し、全員がお客様へエネルギーを発揮できるようになり、結果的に会社が進化しました。
こういった背景から「会社の価値観・理念」に共感する人の採用を何よりも大切にしています。
 
また、新卒採用は現段階での学生さんの技術や能力で判断するのではなく、5年後、10年後にどんな未来を一緒に描けるかという可能性を大切にしています。
そこで会社トップ自らが採用の現場に携わり、大切にしていること、経営方針、ビジョンを語ることがとても重要だと考えています。
 
 

大苦戦した2020年度新卒採用。
原点に立ち返り「Daiyuだから出来る」
インターンシップを設計

 
 
―――Daiyuステップ制インターンシップはどうやって生まれたのでしょうか?
 
実は2020年度新卒採用は大苦戦しました。
その苦い経験がなかったら、今行っているプログラムは生み出されなかったと思います。
 
当時の私は自分自身に過信があり、「広告媒体を有効に使えば学生を集めることが出来る」と思っていました。
Daiyuでは自社会場の萬屋本店が広告媒体やSNSを使い集客が伸びたこともあり、学生さん側にもきちんどDaiyuの情報が伝われば必ず人はやってくると思っていました。
そのため、マイナビのみで勝負したのですが、蓋を開けてみると、全く人が集まりませんでした。
媒体使用写真を変え、SEO対策をし、工夫したにも関わらず、学生さんのエントリー数はたったの200名弱。
インターンシップに参加する学生数も少なく、このままでは一人も採用出来ない厳しい状況になりました。
その時、これでは企業の成長が止まると思い知りました。
 

《2018年は、インターンシップ時期からの採用は出なかったものの、本選考時期に入ってからオファーボックスを通じて運命の出会いがあった。その結果男性1名採用の着地となった》
 
―――苦戦の原因は何だったのでしょうか?
 
悩んだ末に採用部門の「方針書」をつくることにしたのですが、そうすることで問題の本質に行きつきました。
Daiyuの行っている事業の中で、上手くいっているところとそうでないところの何が違うのか?ということを整理したのですが、その時にはっきりと違いがあることに気付きました。
 
それは「企業理念に基づいた事業を行っているか?」ということでした。
弊社の理念「私たちはパートナーと一緒に新しい価値を創り出し、感動を贈ります」の通りに「Daiyuだから起こせる新しい価値」を届けられている事業は結果を出せていることが分かりました。
 
例えば、自社会場の萬屋本店は、世の中の結婚式が当日を華やかに彩るイベント化したものが流行となっている中、新郎新婦様やご家族のその後の人生がより豊かになることに焦点を当て、ゲストへの行き届いたもてなしが実現される場所として、「それは、美しいもてなしが許された場所」と、コンセプトを設定しました。
また、多種多様な商品ラインナップを用意した自由に選べる結婚式ではなく、アイテムを限りなく厳選することで、一貫性があり、調和してこその美しさが引き立つ「調和してこそ、美。」という考え方を大切にしています。
この2つの考え方が今までのブライダル業界での慣習を打ち破り、「私たち独自の結婚式の考え方」を確立したことで、多くのお客様がこの考えを支持してくれたと思っています。
 
【既存価値の提供<<Daiyuの新たな価値の提供】
この方程式が要だと考えた時、レストラン事業、採用部門ではウェディング事業に比べ、ここまで独自の考えを持っていなかったことに気付きました。
これまで、理念が大切だと言っていながらも採用に対しては理念に伴う活動をしていなかった。
特に「採用活動」に対してはどこか別物だと思っていたこちらの怠慢がありました。
 
採用に対する意識を180度変え、良い学生さんを獲得するためではなく、反対に「私たちDaiyuが学生さんたちに提供できる価値は何か?」と貢献する事業へと切り替えるべき時だと思いました。
しかしながら、ここまでのことをやるには人件費、採用費、何より大きな労力がかかることも想定でき、学生への提供事業だと決断するにはかなりの勇気がいったのも事実です。
最終的に、もし採用に繋がらなくとも学生さんにプラスになればOKだと覚悟を決め、Daiyu独自のノウハウや考え方、技術をすべて無償で提供することを決めました。
 

《学生の成長のためのインターンシップを行う覚悟をした鈴木》
 
―――Daiyuだから「提供できる価値」とは一体何でしょうか?
 
インターンシップで企業の魅力をプレゼンをすることは企業側のメリットであって、学生さんのためを想ったものではありません。
就職活動を行う学生さん側が一番求めているのは、自分が将来やりたいことに気付き、それを実現する力を身に着けること。
つまり「成長」だと思います。
 
その「成長」に関しての捉え方も様々あると思いますが、私が考える本当の「成長」とは「人としての在り方」「リーダーシップ」を磨くことです。
そういった「人間力」を、Daiyu独自のウェディング技術を通して学生さんに提供することを決めました。
 
Daiyuは売上を上げるために結婚式をしているのではなく、結婚式を挙げられたお二人の人生がより豊かになってほしいと願っています。
そこから、お客様に関わるスタッフの介在価値を追求してきました。
お客様の人生をお客様以上に想うこと、お客様の潜在的ニーズを引き出すこと、お二人に今後どのような人生を歩んでほしいかを願って関わる技術は、この業界に類を見ない、ここでしか得られない技術です。
 
例えば、ご結婚をされるお二人には、ご兄弟の不仲や、嫁姑問題、ご両親との確執など、様々な背景を抱えている方もいらっしゃいます。
お二人のお話しを伺い、お二人の人生にとって何が大切なものなのかと一緒に考えていくことで、お客様自身が向き合い方を変えていくことが起こります。
出会う人によって人生は変わるという言葉もあるように、結婚式を挙げるプロセスの中で、お客様が生き方の選択さえ変えてしまうことがあります。
 
そういった深い介在をするためには、ただ単にウェディングの知識を習得するだけでなく、「人に関わる」というコアな部分が必要です。
このコア技術の習得は、その学生が例えDaiyuに入社しなくても、ウェディングの仕事に就かなかったとしても、必ず将来強い力になると信じています。
 

《人の人生に関わるというのがDaiyuのコア技術》
 
 

人間力を高める
Daiyuステップ制インターンシップの全体設計の全貌

 
 
―――「人間力」を高めるインターンシップ。各コース、どのような意図で内容をつくっていますか?
 
大きく分けて、4段階のインターンシップを用意しています。
一つ目の「Daiyuクルーズ」は人生の生き方、向き合い方に触れるプログラムにしました。
「人」だからこそ起こせる「介在価値」というものが何か、その深い関わりとはどういったものかを伝えています。
 
二つ目の「自己探求・才能発掘」インターンシップは、独自のワークシートを基に、その人自身の価値観を深く掘り下げていきます。
自分自身の生きる意味や、存在意義が明確になっている人は強く軸もブレません。
それぞれの企業に合わせて就活対策するより、自分の生きる意味を見つけてもらう時間にしたいと考えました。
 
三つ目のプランニング実習は、実際にカウンセリングを通して他者に関わっていきます。
ここでは、人と深く関わることの難しさと同時に、そこから得られる何にも代えがたい感動体験をしてほしいと考えました。
相手の幸せを願い力を尽くすことで味わえる、深い仕事のやりがいを感じてほしいのです。
 
そして、この後の最終プログラムが半年間のスタートアップ研修になります。
 
―――スタートアップ研修とは?
 
インターンシップに参加してくれた学生さんとの出会いを通し、「もっとこの子たちの力を発揮させてあげたい」と思いました。
そこで、前職で学んできた、経営者やビジネスリーダー向けの研修プログラムを大学生向けにデザインし直しました。
人間的成長をし、内定を勝ち取れることを目的にカリキュラムを組みました。
前職の経験からこのプログラムに強い自信がありましたが、パワフルな研修体系のため研修を行う側の労力も大きく、覚悟が必要でした。
 
結果的に、研修をやって良かったと強く思っています。
研修卒業生の子の中には、Daiyuに就職した子も含め、志望企業に進んで社会人として活躍している子が大勢いて、そのことが何より嬉しいです。
どんなことが起きたかは、是非下記レポートを読んでみてください。
 
●2021年度新卒 第一期スタートアップ研修のブログ
●2022年度新卒 第二期スタートアップ研修のブログ
 

《第一期 スタートアップ研修の集合写真》
 
 

自らの不安を覆してくれた若手スタッフの頼もしさ
若手のすごい力と可能性を信じている

 
 
―――新卒採用に携わり、ご自身に変化が起きたことはありますか?
 
これまでのDaiyuは経験者が集まった会社だったので、新卒採用のスタートは私たちにとって大きな挑戦でした。
Daiyuの結婚式が「お客様の人生に関わる」ということを大切に考えているため、人生経験の少ない新卒スタッフにそのことが出来るのだろうか?と心配がありました。
 
その心配をよそに、新卒1年目の年に入社した萬屋本店の野田がお客様に感動を起こし、先輩顔負けに活躍しているのを見て、こちらの前提が大きく覆されました。
また、様々な企業の方から「今の若者は熱意がない」という声を聞くこともあったのですが、私がインターンシップを通して出会った学生さんはみんな意欲があり、素晴らしい魅力を持っており、こちらが本当は一人一人を見ていないだけだと知りました。
若手が持つエネルギーと可能性の大きさを知った今、会社の将来は次の時代を担う子たちにかかっていることを強く感じています。
 

《新卒4年目の野田が結婚式後にお客様から感謝の気持ちを伝えられている姿》
 

《2021年度、新たに入社した新卒4名のメンバー》
 
 

―採用担当 山中が思うこと―

 
このインターンシップ実働を担ってきた私からみても、鈴木のアイディアや考えは、何があってもブレず「一人一人がミッションを持って自分の道を切り拓いてほしい」という気持ちからきています。
ただひたすらに学生さんたちがより輝いて生きていけるよう追求する姿に、私自身、人事採用を担う者として大切な姿勢を学んできました。
 
学生さんは就活時にどんな人と出会い、どんな言葉をかけられるかで人生が大きく変わると思います。
その大人たちの一人として、私は履歴書や学力、上辺だけのやり取りでは計れない、その人らしさや個性に目を向けたいと思います。
将来に大きな可能性を秘めたダイヤモンドの原石のような状態の学生さんが、私たちに出会うことを通して、眠っている力を解き放ち、輝いてほしい。
そんな瞬間を見れることも、人事採用が味わえる深いやりがいだと思っています。
 

《人事採用の仕事をしてから、出会った学生さんからもらったお手紙は宝物》

ブログ|鎌倉の歴史的建造物での結婚式・レストランならDaiyu.inc