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 採用担当 山中が考える おもてなしとサービスの違い

  • Category : 人事・採用担当者の本音
  • 2021.01.13

こんにちは。
株式会社Daiyuの山中です。
 
最近、萬屋本店レストランにランチに行きました。
日頃から萬屋本店には行っているものの、
改めて予約を取り、お客様として訪れる体験の中に、
萬屋本店が大切にする「おもてなし」を感じる瞬間がありました。
 
レセプションで対応してくれたのは、
立ち上げ当初から勤務してくださっているしのさん。
 
コートを預かってくれた後、
その場で少し人を待たせていただいのですが、その際に
「今日は寒いですね。こちらは冷えるので、是非温かいヒーターのお側にどうぞ」と案内をしてくれました。
 
実際、その日はすごく寒かったので
身体が冷えていたのですが、
しのさんが予約時間に合わせ、
ヒーターを準備してくれていたおかげで足元はぽかぽか。
そして、何よりも身体以上に、
自分の心がほぐされ温まっていくのが分かりました。
 
決して形式的ではなく、かと言って過剰すぎず。
まるで旅館の女将のような、しのさんの心配りが
心を溶かしてくれたのだと思います。
 

《萬屋本店レセプションのしのさん》
 
日本家屋特有の形を出来るだけ当時のまま
リノベーションしている萬屋本店では、
どうしてもハード面で
「快適」とはいえない部分が出てきてしまいます。
実際、私がしのさんに声をかけてもらった
レセプションは、当時でいう「土間」。
 
炊事のためのかまどスペースであったり、
農作物の保存場所という役割でつくられていたため、
水や汚れに強く、
夏場は涼しくなるように設計されているのが特徴。
そのため、冬場は土の冷たさを
そのまま伝えてしまうことが短所にもなります。
 
このように、建物としては
どうしても不便さがあるのですが、
一方で、自分のためにかけてくれた
心遣いや優しさに気付く感度は高くなっていくことを感じました。
 

《萬屋本店の入り口》
 

《萬屋本店入ってすぐにある土間》
 
例えば、普段利用しているデパートや飲食店等、
大抵どこに入っても店内の温度は
「適温」に保たれており、
その環境に「ありがとう」という気持ちを持ったことは
一度もないことに気付きます。
それどころか、入った瞬間は
「ちょうど良い」と思っていたのに、
そのまま買い物を続けているうちに
「ここ暑すぎない?」なんて
小言を言うことまであったかもしれません。
 
「便利さ」は人々の生活水準を上げてくれますが、
同時に、知らず知らずのうち、
誰かに「ありがとう」と言える機会を
奪っているかもしれない。
 
そんなことを思うと、どんな世の中がきても、
萬屋本店が変わらず、
「心」でもてなしを届ける場所であり続けることに、
大きな意味があると改めて思うのです。
 

《先代から受け継いだ萬屋本店の看板》
 

《かつてここで販売をしていた銘酒の看板》
 

《当時使用されていた徳利》
 
実は最近、インターンに来てくれている学生さんからこんな言葉をもらいました。
 
「新郎新婦様が結婚式場の口コミを書いているサイトをみたんです。そうすると、萬屋本店さんのスタッフに対しての評価がものすごく高くてびっくりしました!プランナーさんのことだけでなく、ゲストの方が「おもてなし」を感じたという言葉がたくさんありました。」
 
この会話をきっかけに、
今一度私なりに「もてなし」について考えてみました。
「おもてなし」は海外の「マナー」「ホスピタリティ」「サービス」とは何が違うのか?
少し調べてみると、こんな風に定義付けされていました。
 
●マナー
行儀作法のことであり、
相手に不快な思いをさせないためのルール。
国や民族、文化、宗教など
さまざまな習慣によって形式が異なる。
 
●サービス
語源はラテン語の「servitus(奴隷)」。
Serviceには「奉仕する」
「仕える」という意味があり、
サービスを受ける側と
提供する側の主従関係がはっきりしている。
そしてサービスには対価が発生する。
つまり「サービス」とは利益を求め、
お客様が支払う料金に見合うこと、
求められたことを期待通りにすること。
 
●ホスピタリティ
ラテン語のHospics(客人等の保護)が語源。
巡礼の旅をする人々に、
現地の人たちが無償で宿や食べ物を提供し、
病気になった際は手当をしていたことが
ホスピタリティの由来。
「ホスピタリティ」とは、
相手のことを思いやり、喜びを与えること。
そして相手が喜ぶことが自分の喜びになる。
対価を求めない自発的な行動。
 
では、一体「おもてなし」とは何なのか?
私は、おもてなしとは日本人が独自に培ってきた精神性、
感性を活かした日本人の心そのままだと思います。
もてなす人の心の在り方が西洋とは大きく違う、
そこに、日本にしかない「おもてなし」が存在すると思うのです。
 
例えば、農耕民族で、周囲と協力して生活し、
和を重んじてきた日本人だからこそ「察する力」がある。
凛としていながら控えめであることが
美徳とされる精神性があるからこそ
「さりげない心配り」ができる。
山や海、自然に恵まれる一方で
天災も多かった国だからこそ、
自然の脅威に立ち向かうのではなく、
自然と共存し「調和する」姿勢があります。
 
そういったこの特有の風土の中で
「おもてなし」の心が培われてきたのだと思います。
 
海外旅行に行くとき、
その地それぞれの素敵なサービス・ホスピタリティを
楽しみにする方は多いのではないでしょうか?
私自身、これまでに行った海外旅行を思い出してみても、
ハワイはおおらかで気取らない南国のムード。
イタリアは陽気で情熱的な国。
フィンランドは肩肘張らず、ほっこり。
こんな風に感覚的ではありますが、
その国特有の性格のようなものが、
人々の対応にも影響していたと思います。
そして、そのどれもが、
「その地に行かないと味わえない」体験だから、
貴重なのだと思います。
 
どの国のホスピタリティも素晴らしいと思います。
その上で、
島国であり、近隣の諸外国に影響を受けながらも、
独自の文化を築いた国である日本文化は
世界から見ても稀少。
 
華道、茶道、書道、剣道といった
象徴しやすい日本文化だけでなく、
「おもてなし」もまた、
日本が誇る無形文化遺産です。
 
私たちDaiyuという会社は、
この地で人から人へと
長きにわたって培われてきた
「もてなしの精神」を体現し、
次世代へと継承する担い手になることがミッションだと考えています。
 
そして、それと同時に
おもてなしの「心」に正解はないからこそ、
人を想うこと、感性を磨くことを
追求し続けていきたいと思います。
 

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